冒険教育プログラム
今日はスポーツ団体の小学生6年生のサッカーチームが冒険教育プログラムを受けに来ました。
冒険教育プログラムで重要な事は、参加するチームメイトの相互協力、プロジェクトのゴールに向けた意識合わせ、チームメイト同士の相互理解が成否の鍵となることです。
最初はアイスブレイクを兼ねて「ホエールウオッチング」のアクティビティを行いました。
まずは、大きなシーソーの板を小舟に見立て水平を保ったままで全員が乗船することをゴールにアクティビティを開始しました。
最初は全員が中心に乗ろうとしますが人数が多くてうまく全員が乗ることができませんでした。
しかし少しを時間をかけて試行錯誤するうちに何人かがシーソーの端に乗ることで目標を達成!
次に与えられた課題は全員がシーソーの端の限られた範囲に乗ることでした。
1人1人が身勝手に動いてしますとバランスを崩してなかなか水平を保つことができませんでした。
1つ目の課題がクリアされたので次のアクティビティ「Aフレーム」にチャレンジしました。
「Aフレーム」は底無し沼の上に浮かぶ狭い棒の上だけに乗り、名前の順番や誕生日の順番に並び変わるというアクティビティでした。
身体を入れ替える時にバランスを崩したりしてなかなか課題をクリアできませんでした。
実はこのサッカーチームは試合でも課題を抱えていて、ゲーム中でいい所まで行くのに負けてしまうと言う事でした。
そんな状況がこのアクティビティでもでてしまい、集中力を欠きふざけたり、身勝手な行動をとってしまうと上手くいかないのです。
そんな集中力のキープの仕方を少し気づけたのでしょうか?次の課題で検証をすることになりました。
次の課題は「パイプライン」です。一人ひとりが手にしたパイプの上をビー玉を転がしゴールに納めるアクティビティです。
しばらくの間何度かチャレンジをしているうちにチームメイトの一人が泣き出してしまいました。
その理由はお互いの主張のズレとちょっとした仲間の言葉で感情が爆発したようでした。
そこでいったんブレイクを入れ昼食をはさむとともにチーム全員で何が良くなかったをノートに書き留めて午後のチャレンジに挑みました。
午後は引き続き未達成課題をクリアする事からスタートしたところ、午前中には達成できなかった「パイプライン」の課題をあっという間にクリアしてしまいました。
”集中力を途切れさせない”上手くいかないときにチームメイトを批判しない”という2つの気づきを生かした成果でした。
アクティビティのハードルは徐々に上がり、次の課題「ニトロクロッシング」に挑みました。
木の枝から垂らされたロープにぶら下がりスタート地点からゴールに全員が途中で足を着いたりせずに移動するアクティビティでした。
少しチームワークが取れてきたこともあり、渡る順番決めや着地点で仲間を引き上げる動きも上手くいき、スムーズに課題をクリアしました。
そしてかなり難度の高い最後の挑戦4mの壁を乗り越える「ウォール」にチャレンジしました。
ここまでくると意思統一もでき、誰がどう仲間を助けるかも短い時間で決めることができ、着実に1名づつ壁を乗り越えていきました。
この時はもう誰一人ふざけたり、集中力を途切れさせたりする場面はありませんでした。
このようにして前半ではアクティビティの課題クリアに時間がかかったり、仲間同士でのいさかいもありましたが、全てのアクティビティでの課題をクリアできました。
そして、6年生の一人1人がどのようにチームメイトとかかわり、状況に応じて自分の役割を全うし、チーム全体でのゴールを目指す姿勢ということに気づきがあったことでしょう。
冒険教育プログラムでは参加する人自体の気づきが重要なのでファシリテーターは危険やルール説明以外にはあまり口をはさみません。
ただ、参加している人の目や息遣いには常に気を配っています。そして”気づき”が促されるように振り返りの時などに最小限のアドバイスだけをするように留めています。
冒険教育プログラムが日本に上陸した当初から参画している、野口所長(ロバ)さんの気づかせ方は百戦錬磨のうまさがあります。
ですから、冒険教育プログラム指導者には大勢の方がいらっしゃいますが、黒川でのチャレンジも一興ですよ!(川村)
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