命をいただく
昨日に引き続き、今日は日本キャンプ協会が主催する「自然体験活動青年ミーティング」の2日目です。
午前・午後と様々なワークショップに分かれて、様々な体験やキャンプ技術を身につけています。その中の一つ、静岡県のホールアース自然学校の看板プログラム「命をいただく」を取材させていただきました。
昨日一時脱走してしまった1羽のニワトリ。今から命をいただきます。
片足をつるし、バタつかないように羽を羽交い絞めします。
頚動脈にナイフを入れる瞬間。周りのみんなにも緊張が走ります。
血が流れ出し、ニワトリの悲鳴がしばらく続きますが、次第に静かになっていきました。スタッフに促され、血に少し触れてみると、「温かい…」。命を感じる瞬間。
解体が始まりました。足、続いて羽。落とした肉はお湯の中で羽をむしります。
さらに全体の皮をむきます。かなり力の要る作業です。皮がむけると、「肉はこれしかないんだ…」という驚きの声があがりました。
手羽先、トサカ、レバー、スナギモ…。レバーの刺身をわさび醤油で。このあたりからみな神妙だった顔つきに、「おいしい」という笑顔が生まれ始めます。
さらに解体が続きます。 ニワトリから鶏肉になる瞬間、それは「おいしそう」という気持ちが生まれる時です。
当センター所長の野口がバーベキューインストラクターの腕前を発揮し、解体した肉をすぐその場で焼きました。
参加者からは、「店で売られる鶏肉になるには、こういう過程があるんだ。」とか「この体験を通して自分が鶏肉を嫌いになるのかと思ったけどむしろ好きになった。」という声がありました。
私自身、数年前にこのプログラムを体験し、1羽のニワトリから得られる手羽先や手羽元は2本ずつしかないことにあらためて気が付きました。また、1羽のニワトリの命をいただくだけでもこんなに複雑な思いをすることなのに、普段の生活ではその恩恵はほとんど感じられないことを痛感したのでした。
あらためて、食べること、生きることはどんなことなのか、参加者それぞれがいろんなことを感じたり、気が付いた時間になったようです。(反町)
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